被災地、そして日本の地方で重要な役割を果たすトライセクター・リーダーについて

皆さん、『トライセクター・リーダー』という役割をご存知ですか?

トライセクター・リーダーとは、2014年2月号のハーバードビジネスレビュー(日本版)で発表された論文で紹介された役割です( http://www.dhbr.net/articles/-/2331 )。

 

簡単に言うと、

民間・公共・社会の3つの垣根を超えて活躍する人材。必ずしもこの3つに所属している(していた)必要はなく、2つ、または1つのセクターに身をおきながら、他のセクターに属する人と協同してセクター横断的な課題に取り組む人もトライセクター・リーダーとして考えられます。

 

私は現在、女川町で復興まちづくりに関わると仕事をしておりますが(アスヘノキボウとしては産業・暮らしの活性化、商工会職員としては、まちづくり全般の業務)、この役割が復興・地域活性をしていく上で重要であるとつくづく感じます。

 

地域活性化をする上で非常に重要な点として公民連携が挙げられますが、もう少し具体的に言うと、このトライセクター・リーダーの役割である、行政、民間、非営利(社会)の各セクターの役割や特性を良く理解し、さらにその時々の各セクターの状況(人員体制や動き等)も把握する。そして、地域の課題解決策に関して必要なセクターを横断してプロジェクト化し、推進する力が必要であると思います。このとき、各セクターが参加しやすいような環境を整えたり、先読みし各セクターに提案を差し込む等、細やかな配慮も重要になります。

ここでは長くなるため、具体的な進め方(フレームワーク)は書きませんが、上記の役割をどれだけ丁寧にやりきれるかが、本当に鍵となります。

 

地域はこの3つのセクターで構成され、この3つのセクターと協働が出来ないと(セクター横断はあくまで案件ベースなので、無理矢理3つのセクターを横断する必要はありませんが。)、本当の意味で地域課題は解決されません。

 

復興も一緒です。

町や地元の方々の方針があり(復興まちづくり計画等)、この方針と整合性が取れる形に揃えた、地域の活性化施策(暮らしや産業活性等)から個社の企業再建を進めていく必要があります。一部の活性化施策や企業(個社)だけが勢いづくことが、良い復興という訳ではありません。町全体と産業や暮らし、個社の事業、個人は全て繋がっておりトータルで考えて一つになっていかないと、過疎化が進む地方では他の町に太刀打ちが出来ません。町が大きくてこれが難しければ、地域単位でも進めていく事で可能にすることもできると思います。

 

時々「貴方が関わっているしている町はいいなあ」、「行政が動かない」と外部の方から頂く事があります。

そんなとき、お話をする事が有ります。

僕は「あなたはどれだけ対象の地域と向き合ってますか?どれだけ町の復興計画や町の方針(被災地ではなくても、あります)を理解していますか?その地域や方針のわからない部分や疑問点は質問したり、情報収集していますか?」とお聞きします。さらに、「相手は動かないというけれど、どれだけアプローチ方法を練り、何度アプローチをかけましたか?」とお聞きします。この問いをお話すると、多くの方があまり動いておらず、ただなんとなくのイメージで言っている事が多いです。

 

当たり前の事ですが、町と協働したり、動いてほしければ、まずは町の方針や状況をちゃんと理解し、受け止める事です。

相手の考えや方針、想い、今の状況も理解しないで、自分たちの意見や考えを主張しても、それは相手の場所に土足で足を踏み入れるのと同じこと(もちろん、この前にエスノグラフィーを行いますが)。逆の立場を考えてみれば、よくわかることですよね。

 

トライセクター・リーダーがなぜ、私が必要だと思うか。

地域の課題解決をセクター横断でプロジェクト化することはもちろんありますが、その手前である、各セクターに敬意を払い、尊重した上で、各セクターの方々が関わりやすいような状況を作る機能があるかないかで、地域が良い方向に動くか悪い方に動くかが決まるからです。

 

私は地域活性、復興においてこのトライセクター・リーダーが本当に必要であると感じております。

(公民連携が進んでいる町は、関わっている公民の方々がトライセクター・リーダーになれるのです。女川の場合は、公民の皆さんがこの視点を持たれていると本当に感じます)

 

だからこそ、私達もこの役割を担えるようになろうと、スタッフ3名にもこの意識を求めています。

そのため、課題設定や一つ一つの打合せ準備を丁寧に行うように、お願いをしています。

そんな私もトライセクター・リーダーの役割を担えるよう、有り難い事に下記の図ような立場にございます。

(この他に、町内の2法人の理事にもつかせて頂いております)

 

ここで書く事ではありませんが、本当に地域にトライセクター・リーダーは必要です。

この役割が地域に有るのと無いのでは、大きく違います。

女川町が本当にすばらしいと思うのは、公共・民間にこのトライセクター・リーダーが多いことです。

地域の将来の為に、アスヘノキボウとして地域版のトライセクター・リーダーをたくさん輩出し、効果的に役立てるよう活動することはもちろん、その地域に根ざす地元の方々(公民の皆さん)の中にたくさんのトライセクター・リーダーを作る事が重要です。

 

どちらの面でも、効果的にお役に立てるように私達はこれからも活動を続けていきたいと思います。

その第一弾として動かしているプロジェクトが、「フューチャーセンタープロジェクト」です。

詳細は次回に書かせて頂きます。